月額980円でドコモスマホを使えるシンプルプランは本当に得なのか?
2017年5月24日からドコモがスマホの新料金プランを開始します。
この新料金プランのことを「シンプルプラン」と言い、980円の基本使用料でドコモスマホを使えるという内容になります。
本来、シンプルプランは携帯電話 (ガラケー) 専用のプランとして長年機能してきたので (今現在も機能中)、厳密にいうと新料金プランではありません。
しかし2017年5月24日からシンプルプランがスマホにも拡大適用されるという事情から、新料金プランと言っているのです!
ではなぜシンプルプランがスマホにも適用されるのかというと、それはドコモ契約者が徐々に格安SIM (格安スマホ) に流れ、契約者の数が減ってきたからです。
ドコモでスマホを使う場合は月額8千円ぐらいかかるのに対し、格安SIMだと月額2千円以下に収められるので、自然と格安SIMに人が流れるのです。
しかしドコモ的にはこの流れを防ぎたいので、従来だと基本使用料2,700円のカケホーダイプランか、1,700円のカケホーダイライトプランのどちらを選択しないとスマホを使えなかったのが、980円のシンプルプランをスマホにも適用することで、格安SIMに価格対抗を始めたのです!
■補足
カケホーダイプラン・・・国内通話が24時間無料
カケホーダイライトプラン・・・5分以内の国内通話が無料
シンプルプラン・・・国内通話30秒ごとに20円、家族内通話無料
そもそも近年はLINEの無料通話があるので、スマホ契約を餌に大して使う機会のない割高なカケホーダイプランに加入せざるおえなくするキャリア (ドコモ等) のやり方は、はっきり言って超迷惑でした。
しかしシンプルプランのスマホ導入により、そのような迷惑行為は駆逐されるので、
「メデタシ!メデタシ!嬉」
と締めくくりたいところですが、残念ながらそうはいきません。悲
なぜならシンプルプランは基本使用料こそ安いですが、このプランを利用するには割高なパケットパック (家族で容量をシェア) に加入する義務があるからです!怒
例えば同じ5GBプランでも、カケホーダイとライトの2つは月額5,000円なのに対し、シンプルプランの場合は月額6,500円になります。
そもそもシンプルプランは、
「現契約者が格安SIMに流れないように、ドコモのスマホ利用世帯を家族まるごとドコモに縛り付けてやろう!」
というドコモ側の悪しき発想から出てきたプランなので、シンプルプラン契約の条件に"パケットパックへの加入"を入れてるのです。
パケットパックは容量シェアという性質上、家族1人1人が個別に契約するよりも、家族全員でシンプルプランに加入し、シェアする方が安上がりになる可能性が高いので、そういう意味ではシンプルプランは有意義だと思います。
しかし単独世帯や家族から独立してドコモを使ってる人の場合、パケットパック加入のメリットはまったくなく、(5GBの場合、) 単に毎月1,500円を多く取られるだけ (6,500円−5,000円) なので、単独契約者からするとシンプルプランの存在価値はないに等しいのです!
■単独契約者が5GBのシンプルプランに移行する場合の月額料金の変動
カケホーダイ (5GB) の月額は7,700円、カケホーダイライト (5GB) の月額は6,700円です。
また、シンプルプラン (5GB) は基本使用料980円、パケットパック6,500円なので、合計7,480円です。
つまり単独のカケホーダイ契約者がシンプルプランに移行しても、たったの220円しか安くならないですし、ライト契約者にいたっては780円の値上がりになります!笑
シンプルプラン移行で得できる状況を考える!
先ほど「家族全員でシンプルプランに加入すると、安上がりになる可能性が高い」と書きました。
なので具体的にどれぐらい安くなるのかについて、以下の家族を例にシミュレーションしたいと思います。
■家族の例
カケホーダイライトのシェアパック15 (15GB) を使ってる4人家族が、4人ともシンプルプラン (15GB) に移行するとします。
(シェアパック主回線のドコモ利用年数は15年以上で、毎月1,200円のドコモ割が適用されると仮定、毎月2円かかるユニバーサルサービス料は無視)
上記の例だと、家族4人のカケホーダイライトの月額料金は次のようになります。
- 基本使用料:1,700円×4人
- シェアパック15:12,500円
- シェアオプション定額料:500円×3人
- spモード:300円×4人
- ドコモ割:−1,200円
計20,800円 (1人当たり5,200円)
一方、家族4人ともシンプルプランに移行すると、月額料金は次のようになります。
- 基本使用料:980円×4人
- シェアパック15:12,500円
- シェアオプション定額料:500円×3人
- spモード:300円×4人
- ドコモ割:−1,200円
計17,920円 (1人当たり4,480円)
つまりこの家族が全員、カケホーダイライトからシンプルプランに移行すると毎月2,880円、1人当たり720円安くドコモスマホを使えるようになります。
シンプルプランと格安SIMのシェアパックの料金比較
シンプルプランはドコモ一家な家族が家族単位で移行する場合だと結構お得ですが、格安SIM (格安スマホ) のシェアパックに比べると遥かに割高です。
なのでどうせ移行するならシンプルプランではなく、普通にドコモを解約し、シェアパックのある (容量シェア可能な) 格安SIMに乗換えるのがベストになります!
ということで、容量シェア可能な格安SIMが具体的にどれぐらい安いのかを、家族4人 (合計20GB) を例にシミュレーションしていきます。
■補足
今回は、「mineo (マイネオ)」「楽天モバイル」「OCNモバイルONE」という3つの人気格安SIMにてシミュレーションを行います。(もちろんネットと090/080/070音声通話の両方が可能)
この3つの格安SIMはドコモ回線にてデータ通信を行うので、ドコモで買ったスマホはほぼ確実に継続利用ができます。(新端末を購入する必要なし)
(毎月2円かかるユニバーサルサービス料は無視します)
■mineoの月額料金
- 基本料金:2,280円 (5GB) ×4人
- 家族割:−50円×4人
- シェアオプション定額料:0円
計8,920円 (1人当たり2,230円)
ドコモのシンプルプランだと家族4人で15GBで17,920円なのが、mineoだと8,920円で済むので、毎月9,000円 (1人当たり2,250円) も節約できます!(しかも容量が5GB多い)
ちなみにmineoの容量シェアの仕方は、当月の家族の総残容量が自動的に次月に持ち越され、次月にその総残容量をシェアする形で行われます。
例えば当月の総残容量が10GBある場合、その家族のメンバーであるA君は、翌月は元から (基本) の5GBにこの残容量も加わるので、翌月は5GB〜最大15GBを使えることになります。
■楽天モバイルの月額料金
- 基本料金:2,150円 (5GB) ×4人
- 家族割:0円
- シェアオプション定額料 (副回線のみ):100円×3人
計8,900円 (1人当たり2,225円)
家族4人の場合、シンプルプランよりもmineoの方が毎月9,020円 (1人当たり2,255円) も節約できます!(しかも容量が5GB多い)
(楽天モバイルの容量シェアの仕方は、mineoとまったく同じ)
■OCNモバイルONEの月額料金
- 基本料金:4,850円 (20GBを4人でシェア)
- シェアオプション定額料 (副回線のみ):1,100円×3人
計8,150円 (1人当たり2,038円)
家族4人の場合、シンプルプランよりもOCNモバイルONEの方が毎月9,770円 (1人当たり2,442円) も節約できます!(しかも容量が5GB多い)
また、OCNモバイルONEの容量シェアの仕方 (20GBプラン、家族4人の場合) は、単純にその20GBを家族4人で共有する形になります。
ドコモのシンプルプランのまとめ
シンプルプランはスマホを単独契約で使う人には、メリットはまったくありません。
一方、唯一メリットを受けられそうなのは、家族の数人が (主回線と副回線の関係になってる) ドコモ利用者で、かつその数人が従来の契約 (カケホーダイ、ライト) からシンプルプランに移行する場合に限られます。
しかしどうせ移行するなら、シンプルプランよりも前述の格安SIMで容量シェアする方が明らかに安いので、敢えてシンプルプランを選ぶ理由は特にありません!
なので「ドコモのスマホ料金は高い!」と日々感じてる人は、単独契約であろうと家族単位であろうと、シンプルプランは"シンプル"にスルーし、何かしらの格安SIMにさっさと乗換えるべきだと断言します!